大橋JCTって渋滞緩和に意味があるの?

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大橋JCTって渋滞緩和に意味あるの?

最近首都高を走っていてよく思うのですが、大橋ジャンクションって渋滞緩和に意味があるのでしょうか?

首都高を走ると、「渋滞 大橋ジャンクション~」と表示されていることがよくあります。 渋滞がなく流れている時にも大橋ジャンクションだけ渋滞ということもよくあり、本当に作った意味があるのかな?といつも思ってしまいます。

本当に渋滞緩和や時間短縮などに役に立っているのでしょうか。(ニトロ)

其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!

ニトロさんがおっしゃる通り、大橋JCTの開通後、新たな渋滞ポイントがいくつか生まれました。

ひとつは、大橋JCTそのもの。特に夕方から夜にかけての3号線下りは、渋滞がかなり悪化しました。

もうひとつは、中央環状線と5号線が合流する板橋JCTと熊野町JCTです。

この2つのJCTは、大橋JCTの開通によって山手トンネルの交通量が1日4万台から7万台に増加したことで、恒常的に渋滞するようになってしまいました。

私は10年前に上梓した『首都高はなぜ渋滞するのか』(講談社)で、こうなることを予言し、改善策を提言していました。その提言は生かされ、渋滞緩和のため、板橋―熊野町間は現在の6車線から8車線に拡幅されることが決まっています(都市計画決定済み)。

ただ、まだ財源のメドがつかず、未着工となっています。ところで、大橋JCTが役に立っているのかどうかということですが、これは間違いなく役に立っています。

確かに大橋JCTそのものは渋滞していますが、開通後、首都高全体の渋滞は2割ほど減っているからです。私が利用する4号線の上りなど、もはやほとんど渋滞しません。

環8(高井戸-用賀間)の渋滞も若干緩和されました。大橋JCTをあまり通過しない私にとっては、大橋JCTサマサマです。大橋JCTは、我が身を渋滞させることで首都高全体を守っているとでも言いましょうか。3号線と中央環状線利用者にとっては痛し痒しですが……。

ところで、この大橋JCTの渋滞ですが、今後改善の見込みはあるんでしょうか。2年半後には、山手トンネルが大橋JCTからさらに先へ伸び(中央環状品川線)、湾岸線の大井JCTに接続します。これによって首都高のネットワークは概ね完成し、午前中の上り線の渋滞は、消滅する日が多くなると予想されています。

しかし3号線下りに関しては、逆に渋滞がひどくなるでしょう。現在大橋JCTの開通によって、夕方以降、3号線下りに都心方面からのクルマと池袋方面からのクルマが集中するようになり、渋滞が悪化したわけですが、山手トンネルが大井まで伸びると、3号線下りには大井方面からのクルマも加わります。

そうなったら、夕方以降の3号線下りは、「使わない方が速い」という日が多くなるでしょう。

MJブロンディの「ひとりごと」

しかしこれは、首都高のネットワークが充実したことの証であり、ある意味仕方のないことです。

これまで首都高の渋滞と言えば上り線でしたが、今後は下り線により警戒しなければなりません。利用者は、これまでの常識をひっくり返す必要があります。

そして、これを根本的に解決するには、混雑時の料金を高くするなどのロードプライシング的な制度が必要になってきます。

「道路が便利になればクルマが増える」というのは、自動車社会の常識です。ある意味いたちごっこなので、最後の歯止めは高くすることのみ。

渋滞の解消はタダではできないことを、我々ドライバーは知らなければなりません。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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